資料番号 | 10735 |
資料名 | 東海道五十三次之内 小田原箱根間 畑宿 工藤祐経(五代目松本幸四郎)
(とうかいどうごじゅうさんつぎのうち おだわら はこね かん はたじゅく くどうすけつね(ごだいめ まつもとこうしろう)) |
作者 | 歌川 国貞(三代 豊国) ![]() |
時代 | 江戸 |
時代詳細 | 嘉永5年(1852) |
場所 | 畑宿 |
解説 | |
この作品は小田原(おだわら)と箱根(はこね)間にある間の宿《あいのしゅく》である畑宿《はたじゅく》を背景として、『曽我物語《そがものがたり》』の敵役(かたきやく)、工藤祐経《くどうすけつね》が描かれています。畑宿は、箱根の峠越えの前に旅人達が、多く足を休めた宿場町でした。『曽我物語』は父の敵である工藤祐経を、曽我十郎《そがのじゅうろう》・五郎《ごろう》の兄弟が討ち果たすという物語で、江戸時代には必ず正月の歌舞伎で公演されました。祐経を演じる五代目松本幸四郎(まつもと こうしろう)は、高い鼻と鋭い眼光を生かし、悪役を得意とした名優でした。 これは『役者見立東海道五十三駅』というシリーズです。 このシリーズは、全部で一四〇点確認されています。 作者は三代豊国<とよくに>で、とても人気の高かった絵師です。 背景には宿場の風景が描かれており、手前の人物は、宿場と関わりのある歌舞伎の登場人物です。 また人物は、有名な役者の似顔絵で描かれています。 |
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関連資料 | 役者見立東海道五十三駅 ![]() |
歌川 国貞(三代 豊国) (うたがわ・くにさだ(さんだい とよくに))
天明6年~元治元年12月15日(1786~1864)。角田氏、俗称庄蔵、弘化2年剃髪後肖造。初代豊国、英一珪の門人で二代豊国を自称しますが実際には三代。他に一雄斎、五渡亭、月波楼、琴雷舎、香蝶楼、一陽斎などの号があります。作画期は文化4年(1807年)から没年と長く、北斎、広重をしのぐ人気を得、浮世絵界始まって以来の作画量を記録します。幕末期随一の巨匠。得意とする領域は広範に及びますが、猫背猪首型の美人画が特徴的で「偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)」が著名です。