資料名 | 諸国名所七里ガ浜
(しょこくめいしょしりがはま) |
作者 | 三代 歌川 豊国〔歌川 国貞〕・二代 歌川 広重 ![]() |
時代 | 江戸 |
時代詳細 | 文久2年(1862) |
解説 | |
手前の女性は歌川国貞(三代豊国(さんだいとよくに))、背景は二代広重(にだいひろしげ)によって描かれた双筆(そうひつ)の作品です。 江の島への道中、七里ガ浜から海を眺めながら、煙草(たばこ)を一服する女性が描かれています。女性の装いをみると、手ぬぐいを被り、大きめの浴衣(ゆかた)を羽織っています。こちらは浜辺での砂や埃をよけるためのもので、江の島へ向かう女性の江戸時代における定番ファッションでした。 本作は「団扇絵(うちわえ)」と呼ばれるもので、江戸時代の人々はこのような団扇絵を買い、その年に流行に合わせて団扇の紙を張り替えて使用していました。団扇絵は実用品であるため、現存の少ない希少な作品とされています。 |
三代 歌川 豊国〔歌川 国貞〕・二代 歌川 広重 (さんだい うたがわ・とよくに うたがわ・くにさだ にだい うたがわ・ひろしげ)
天明6年~元治元年12月15日(1786~1864)。角田氏、俗称庄蔵、弘化2年剃髪後肖造。初代豊国、英一珪の門人で二代豊国を自称しますが実際には三代。他に一雄斎、五渡亭、月波楼、琴雷舎、香蝶楼、一陽斎などの号があります。作画期は文化4年(1807年)から没年と長く、北斎、広重をしのぐ人気を得、浮世絵界始まって以来の作画量を記録します。幕末期随一の巨匠。得意とする領域は広範に及びますが、猫背猪首型の美人画が特徴的で「偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)」が著名です。