資料番号 | 10338 |
資料名 | 東海道五十三次之内 神奈川之図
(とうかいどうごじゅうさんつぎのうち かながわのず) |
分類 | 江の島一ノ鳥居・大鋸橋付近を描いた作品 |
作者 | 歌川 国貞(三代 豊国) ![]() |
時代 | 江戸 |
形態・用途 | 書画 |
場所 | 神奈川 |
解説 | |
中判縦1枚 縦25.6 横18.3 背景は広重の保永堂版東海道「神奈川 台之景(だいのけい)」の構図を用いています。神奈川宿は大型船も寄港できる「神奈川湊(かながわみなと)」があり、その中心であった台町(だいまち)には湊を一望できる二階建ての茶店が軒を連ねていました。茶屋の女による客引きも盛んだったようで、本作でも道の中央で、二人連れの旅人の一人の袖を、客引きの女性がしっかりと握っています。手前に描かれている女性は簪(かんざし)や帯に差した懐紙などの様子から宿の芸妓(げいぎ)と思われます。 製作時期:天保10年頃(1839)。板元:佐野喜(佐野屋喜兵衛) 国貞(三代豊国の前名)描くこの東海道シリーズは、各宿の風景をバックにして前面に立ち姿の美人を描いたもので、全シリーズを通し、バックの風景画は広重の保永堂版東海道に非常によく似ています。 |
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関連資料 | 五拾三次景色入女画 ![]() |
歌川 国貞(三代 豊国) (うたがわ・くにさだ(さんだい とよくに))
天明6年~元治元年12月15日(1786~1864)。角田氏、俗称庄蔵、弘化2年剃髪後肖造。初代豊国、英一珪の門人で二代豊国を自称しますが実際には三代。他に一雄斎、五渡亭、月波楼、琴雷舎、香蝶楼、一陽斎などの号があります。作画期は文化4年(1807年)から没年と長く、北斎、広重をしのぐ人気を得、浮世絵界始まって以来の作画量を記録します。幕末期随一の巨匠。得意とする領域は広範に及びますが、猫背猪首型の美人画が特徴的で「偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)」が著名です。