資料番号 | 10341 |
資料名 | 東海道五十三次之内 藤沢図
(とうかいどうごじゅうさんつぎのうち ふじさわず) |
分類 | 江の島一ノ鳥居・大鋸橋付近を描いた作品 |
作者 | 歌川 国貞(三代 豊国) ![]() |
時代 | 江戸 |
形態・用途 | 書画 |
場所 | 藤沢 |
解説 | |
中判縦1枚 縦25.6 横18.3 製作時期:天保10年頃(1839)。板元:佐野喜(佐野屋喜兵衛) 背景は広重の保永堂版東海道「藤沢 遊行寺」を下敷きにしています 。女性の後ろにある、大鋸橋(だいぎりばし)(現在の遊行寺橋)と、かつてその際にあった江の島一ノ鳥居で、女性の頭上に山のように描かれているのが遊行寺です。大きな木太刀(きだち)と御神酒枠(おみきわく)を担いだ大山詣りの一行は、広重の作品では橋の上にいますが、国貞の図では鳥居の前まで来ています。手前の女性は旅立ちのため帯を締めているところでしょうか。足元には煙草入れ、風呂敷包み、菅笠(すげがさ)といった旅の道具が置かれています。板元は佐野屋喜兵衛(さのやきへえ)。 国貞の「美人東海道」の名で親しまれている本作は、背景に東海道五十三次の宿場の風景が、手前には美人が各地に関連した風俗で描かれます。東海道の景色が歌川広重の代表作「保永堂版(ほえいどうばん)東海道」を下敷きにして描いている点が特徴ですが、宮宿(みやしゅく)から京都まで(四日市(よっかいち)除く)は国貞のオリジナルの絵柄となっています。 |
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関連資料 | 五拾三次景色入女画 ![]() |
歌川 国貞(三代 豊国) (うたがわ・くにさだ(さんだい とよくに))
天明6年~元治元年12月15日(1786~1864)。角田氏、俗称庄蔵、弘化2年剃髪後肖造。初代豊国、英一珪の門人で二代豊国を自称しますが実際には三代。他に一雄斎、五渡亭、月波楼、琴雷舎、香蝶楼、一陽斎などの号があります。作画期は文化4年(1807年)から没年と長く、北斎、広重をしのぐ人気を得、浮世絵界始まって以来の作画量を記録します。幕末期随一の巨匠。得意とする領域は広範に及びますが、猫背猪首型の美人画が特徴的で「偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)」が著名です。